オートポリスのレースから3週間。引き続きマシン改善の為のテストを継続。今回の事前テストで新しいタイプのマフラーを投入。2日間でパーツの組み合わせやセッティング出しを模索した。その結果高回転域での改善もみられた。昨年の自己ベストまであと僅かのタイムまで上げてきている。
レースウィークは接近中の台風14号の動向と終始にらめっことなった。ドライコンディションで行われた金曜日の合同走行。午前中は1'42"532で3番手とまずまずの走り出し。午後の走行ではストレートでの加速向上と、極低速コーナーからの出足の遅れを解消させる為にギアレシオとECUの設定を変更。同時にリアサスのセットを柔らか目に試したが、良い結果を得られなかった為タイムを上げられず、初日は総合7番手で終了した。
40分間で行われる予選。風も弱く穏やかな曇り空。ギアレシオは元に戻しECUのセットアップも見直した。マフラーの組み合わせも変更し臨んだ予選。先ずはユーズドタイヤを装置しコースイン。予選開始2周目には42秒半ばで周回。5周目には自己ベストタイムを更新する1'42"030をマーク。ピットに入り前後のタイヤを新品に交換。コースイン後、周りとの間合いを取りながら42秒フラットを数回マークしながら周回を重ねる。そして予選最終ラップ。区間1と2で自己ベストタイムをマーク。後半セクションで他のライダーに前を塞がれながらも1'41"698と自己ベストを更新。6番手で予選を終えた。
スタッフの努力でマシンセットアップも徐々に進み、徳留のマシンへのフィーリングは悪くなさそうだ。しかし、特に2輪専用シケイン立ち上がりでの加速遅れは厳しく、レースに向け対策が望まれる。台風の影響から夕方には雨が降り始め、明日の決勝のコンディションが気になる。
台風接近を考慮し日曜日のスケジュールが変更された。10分間に短縮された朝のウォームアップ。雨はやんではいるが路面は全面が濡れた状態の為、レインタイヤでコースイン。開始早々から徳留のペースは良く、3周目の時点でトップタイム。そのまま久々にセッショントップで終了した。
決勝レース周回数は4周減算の15周となる。路面は所々ウェットパッチが残るが、大半はドライコンディション。徳留は2列目インサイドからのスタートとなる。午前9時半過ぎJ-GP3のレースがスタート。好スタートを切った徳留は3番手で1コーナーへ。バックストレートで高杉に先行され、そのまま一周目を4位で通過。翌2周目には同じくバックストレートで上原にパスされる。4周目に木内に抜かれ6位。順位は落とすが自己ベストタイム付近で粘りの走りを続ける。
先頭争いには離されてしまったものの、後半になると2台のKTMの4位争いに再度差を詰める。その差をコンマ5秒ほどまで詰めた13周目。後方のライダーのクラッシュによりWヘアピンで黄旗が振られる。そんな中、5位上江洲が4位を走る高杉に対し半ば強引にオーバーテイク。通常より大きくラインを外し、スピードを落とした2台に徳留は必然的に接近。 コーナー立ち上がりで上江洲は不自然なまでに低速走行を続け高杉が前に出る。後方の徳留も抜かされるような形で追い越しをすることになった。
翌周コースに救急車が入りレッドフラッグが振られレースが中断。レースは規定周回数に達していた為、13周の通過順位で成立。徳留は暫定では5位。しかし徳留には後に黄旗区間での追い越しペナルティの裁定が下ることになったのだ。レースタイムに30秒加算。
その結果徳留は19位まで降格となってしまった。高杉選手には走行中の遵守事項違反により訓戒処分。この混乱のきっかけを作った上江洲選手に対しての罰則は何も無し。
黄旗が振られている中でのパッシングだったが、ペナルティエリア外と判断され、ルール上問題ないという裁定。徳留にとっては納得の行かない裁定となった。
最終戦は鈴鹿サーキットでの開催。
徳留には優勝争いを期待したい。