全日本選手権筑波大会はJ-GP3クラスのみの開催。今回事前テストは無く、金曜と土曜に特別スポーツ走行が設けられ、日曜日に予選そして決勝レースというワンデーの変則的なスケジュールで行われる。 前回のSUGOから3週間。懸念されたストレートスピード不足を解消する為に積極的にベンチテストを行ってきた。実走でのテストは出来なかったがSUGOより改善が期待出来る。 筑波サーキットは一周が2キロと短く、ラップタイムも1分ほど。大きな高低差はほとんど無いが、ヘアピンコーナーにはバンクと言われる強い横断勾配がついているのが特徴だ。新型コロナの影響も徐々に緩和され、制限はあるものの筑波サーキットでのレースを観ようと多くのお客さんで賑わっている。
レースウィークは酷暑となった。土曜日の気温は38度。路面温度も60度を越えるとても過酷なコンディション。 元々熱が下がりにくい筑波。ライダー・スタッフ・マシンと暑さ対策も重要になってくる。 徳留にとって一年ぶりに走る筑波サーキット。金曜土曜の計4回の走行の中で、マシンパッケージのテストとセッティングを詰めてきている。
9時20分から25分間で行われる予選。9時を過ぎた時点で気温は既に33度。路面温度は50度に迫る勢い。予選開始すると徳留はタイムを1'00秒台に入れトップテン内をキープ。予選も半ばを過ぎた頃に最終コーナーで転倒者が発生し赤旗にて中断となった。残り時間約10分間で予選が再開。徳留は一時5番手に上げ、ラストラップ更にアタックを図るが最終コーナーでミスしタイムアップならず。最終的に7番手タイムとなった。
一周が短い筑波サーキットはタイム差も拮抗しトップとの差はコンマ5秒。メカニックの頑張りでマシンセットアップも順調で、徳留のマシンへのフィーリングは悪くなさそうだ。チームスタッフは酷暑の中、午後の決勝に向け慌ただしく準備を進める。決勝スターティンググリッドは3列目アウトサイドからとなる。
迎えた決勝レース。やや雲のかかる青空。気温は35度、路面温度は55度となっている。3列目7番手グリッドにマシンを並べる徳留。レースは25周で争われる。序盤からの順位上げに期待したい。
午後1時半J-GP3のレースがスタート。徳留は好スタートを切り4番手で1コーナーへ。続く第1ヘアピンで2台に先行され一周目を6位で通過。翌2周目には最終コーナーまでに5位に上げる。トップ争いは目前。前年度チャンピオンの尾野、木内と上原のプラスワンの2台。若手の若松、そして徳留を挟み後ろには彌榮、中島、小田喜と続いている。
徳留は若松の前に出たいところだが、若松のマシンが速く攻略出来ずにいる。トップ3台に離されないように踏ん張る若松だが徐々に離され始め、その若松を徳留は残り8周となった1コーナーでパスし4位に浮上。
後方から追い上げてきた若手の大和も加えレースは終盤戦へ。トップ争いとは数秒離されており3台での4位争いとなる。
残り2周となった1コーナーで大和が徳留をパス。徳留は5位に落ちるが、大和をピタリとマークしたままレースは遂に最終ラップに突入。しかし、コース中盤に差し掛かるところでレッドフラッグが振られレースが中断。
後方での多重クラッシュによりマシンがコースに残ってしまったからだ。レースは規定周回数に達していた為、2周前の23周通過順位で成立。徳留は4位となった。開幕戦から6位5位4位と上げて来ている。後半戦のスタートは地元オートポリスでの開催。優勝争いを期待したい。