開幕戦もてぎから約2ヶ月のインターバルの間、徳留はもてぎで不調だったエンジンパッケージの検証とポテンシャルを上げるためにテストを行ってきた。
その甲斐あって一週間前のSUGOでの事前テストでは、トップとの差はあるものの5番手タイムとまずまずの調子。
スポーツランドSUGOのコースはアップダウンに富んだレイアウト。徳留にとって全日本初優勝の地でもあり、昔から相性の良いトラックである。
迎えたレースウィーク。金曜日ART合同走行は一日中天気に恵まれず、ウェットコンディションでの走行となった。
J-GP3クラスの予選は30分間で行われる。昨日の悪天候が嘘のような晴天に恵まれ、気温も上がり路面温度は50度を越えるほど。
徳留は予選序盤なかなかペースが上げられないでいた。このウィークに入りリフレッシュしたエンジンを使用しているのだが、事前テストの時よりマシンが走っていない。足回りのセッティングを調整し、中盤にようやく36秒台にタイムアップ。集団を追いかける作戦でタイムを上げ始める。
終盤に1分36秒フラットまで上げ、予選のファイナルラップには更にペースアップし区間タイムで自己ベストを立て続けにマーク。しかしコース中盤以降前を集団に塞がれる形となり残念ながらタイムアップならず。8番手で予選終了。徳留自身の調子は上がってきてはいるものの、上位3人は34秒台をマークしている。マシンの状態を改善して少しでもその差を詰めたいところ。明日のスターティンググリッドは3列目、8番手からのスタートとなった。
迎えた決勝日朝のウォームアップ。昨日よりも気温は下がったもののドライコンディション。セッション序盤はコンディションの変化からか、各車タイムが伸び悩んだものの徐々に回復。徳留も予選よりタイムは上がらなかったが、フィーリングは悪くなさそうだ。
好天に恵まれた決勝レース。3列目中央8番手グリッドに着ける徳留。序盤からの順位上げに期待したい。午前11時前J-GP3のレースがスタート。徳留はまずまずのスタートを切るが、位置取りに失敗し順位を挽回出来ないまま1コーナーへ。一周目はひとつ順位を落とし9位で通過。3周目には7位に上げ若手の彌榮と小合、そしてKTMの高杉の4位争いに接近。しかし圧倒的なストレートスピードのKTM攻略に時間を要し、ようやく5周目の最終シケイン進入で高杉をパス。
そうこうしている間に彌榮と小合の4位争いとの差は約2秒と開いてしまった。ペースを戻し追い上げ、残り7周となる1コーナーで彌榮をパスし5位。続いてバックストレートエンドで小合をパスし4位に浮上。前を行く単独3番手の若松との差は4秒以上。
大きなギャップを周回毎にじわじわ詰めていく徳留。小合はミスもあり遅れたが、教え子彌榮が徳留に引っ張られるように付いている。若松との差を2秒差まで詰めて迎えたラストラップ。徳留の後方に着けていた彌榮がバックストレートエンドで徳留をパス。徳留は最終シケインからの登りストレートでタイヤとタイヤが触れ合わんばかりピタリとスリップに入り再逆転を狙う。しかし、彌榮のマシンが加速で勝っており抜くことは出来ず、5位でチェッカーを受ける事に。師弟対決は彌榮に軍配が上がった。