昨年は新型コロナの影響で中止となったため、筑波での開催は2年ぶりとなる。 筑波サーキットの全長は一周僅か2キロ。ラップタイムも1分前後のテクニカルなショートコース。他のサーキットに比べコーナーに強いカント(横断勾配)がついているのが特徴で、半径の小さいコーナーでもコーナーリングスピードが高い。コースと観客席の距離が近く、白熱したレースを間近で観戦出来るサーキットである。今回は土曜日・日曜日と全クラス2レースが開催される。十分なコロナ対策を実施し前売り券限定で観客を招いての開催となった。今年は開幕からマシンの不調に悩まされている。SUGO後に原因の究明とテスト走行を行ったがマシンの状態はなかなか改善しない。夏日となった一週間前の事前テストでは、自己ベストの1秒以上遅いタイムながらも幾分は前進。しかしレースウィークになると再び状況が悪化してしまった。天候に恵まれた金曜日のフリープラクティスでは総合15番手と低迷している。
昨日の晴天から一転し朝から雨が降り続ける。予選はウェットコンディションの中、朝8時35分からの25分間で行われる。調子の上がらないエンジンに合わせギアレシオを低めに、車体のセッティングも柔らかめに設定しての走行。ウェット路面での感触が掴みにくいのかペースがなかなか上がらない。 ラストラップにはベストタイムを更新し9番手で予選終了。午後のレース1は3列目からのスタートととなる。
予選を終え午後のレース1に向け慌ただしく準備に追われる。筑波は一般的なサーキットと異なりピットとガレージが別となっている為、天候が悪くなると更に不便となる。レース1は完全にウェットコンディション。 グリップと旋回性を上げるべく、前後に更に柔らかめのスプリングをセットしグリッドに向かう。雨が降り続ける中、レース1がスタート。徳留は1周目を9位で通過。
2周目には11位に落とすが、徐々にその順位を挽回し4周目には9位、5周目8位。9周目に7位、折り返しの11周目には6位に上がる。中盤以降は若手の高橋と木内、15歳で教え子である彌榮との争いとなった。迎えた最終ラップ。6位を走っていた徳留は、1コーナーで彌榮を捕らえ5位。後半セクションに向け前を行く木内に肉薄するが、その木内が濡れた白線に乗せタイヤを滑らせあわや転倒の場面。接触を回避している間に彌榮に先行されてしまう。付いた差を挽回出来ず残念ながら6位でチェッカーを受けた。
迎えた決勝日。早朝まで降り続いた雨もやみ天気は回復。8時55分からのウォームアップセッション。筑波の路面は乾きやすくコンディションはセミウェット。路面温度は低く所々濡れてはいるが、ドライコンディションとなるであろう決勝に向けてスリックタイヤでコースインしマシンの状態を確認する。エンジンはドライのレシオにすると更に加速が厳しい状態。セッティングで少しでも改善させ決勝に備えたい。
迎えた日曜日の決勝レース。路面のコンディションは完全にドライ。午後12時にJ‐GP3のレースがスタート。徳留は4列目10番手アウトサイドグリッドから好スタートを切り、7番手で1コーナーへ。そのまま7番手でオープニングラップのコントロールラインを通過。3周目までに順位を9番手に落とすが6周目には7位に挽回。レースはトップ3台が抜け出し、その後ろは10代の若いライダー達を含む10台ほどでの4位争いが激化。徳留はそのグループの中で思った様に順位を上げられず苦戦を強いられているが、レース後半に向け順位を上げつつあった。
レースは残り3周、グループ3番手6位につける彌榮がアジアコーナー立ち上がりでハイサイドで転倒。そのアクシデントを回避している間に4位5位のライダーとのギャップが広がり、グループは二つに分断されることに。徳留は残り2周で後続を何とか振り切り6位でチェッカーを受ける。非常に厳しいレースとなったが、それでも両レースで6位入賞。年間ランキングもSUGO終了後の9位から5位までジャンプアップさせ、厳しい時も冷静に走り切るベテランの強さを見せた。
次戦は7月17・18日の鈴鹿。後半戦での巻き返しを期待したい。