2016年の4戦目!

6月末のSUGOでのレースから約3ヶ月。長い夏のインターバルが開け終盤戦に突入となる。
全日本選手権第8戦は岡山県美作市の岡山国際サーキットでの開催。J-GP3クラスにとっては4戦目となる。

岡山国際サーキットは岡山市内から約50キロ北東に位置するテクニカルコース。
アップダウンもあり中盤には低速コーナーが連続するインフィールド。コース前半と後半にはそれを取り巻くように比較的高速なコーナーが繋がるレイアウト。
全日本選手権の開催されるサーキットの中では路面のμが最も低く、常にグリップに悩まされる難しいコースである。

徳留としては、ロードレースを始めた頃から親しみのあるこのサーキットで優勝を目指し、少しでも優位な形で最終戦に繋げたいところ。

事前テストでは、久々の走行にも関わらずテスト1回目から好ペースで周回。
しかし、その後二日間の間で大きな進展が無く、対策に悩む事となっていた。
一週間後レースウィークに入り、金曜日のフリー走行は雨混じりのコンディション。午後になっても乾き切らずハーフウェット路面での走行。
完全ドライで走れず土曜の予選に向け不安を残す形となった。

9月24日 土曜日 天気:晴れ 路面コンディション:ドライ
公式予選  2位 1’37”198
8時50分から行われる35分間の公式予選。
昨日と打って変わって路面は完全に乾き、予選はドライコンディションで行われた。
セッション開始早々、伊達が1分37秒994でトップに立つが、それを栗原がコンマ1秒上回る。徳留は1分38秒0で3番手につけている。
セッション序盤、転倒者がコースに残った事で赤旗が掲示され予選は一旦中断となる。
セッションが再開されるとサスペンションのセットを変更した徳留が37秒487をマークしてトップタイム。予選終盤には、栗原が37秒386まで更新しトップ。
その後再びピットでセッティングを詰めた徳留がタイムを更新し続ける。タイムの上がらないマシンに前を塞がれるシーンが多い中、37秒198をマークしトップタイムを更新する。しかし最終周に栗原がこれを更新。徳留は残念ながら僅か100分の4秒及ばず予選2番手となった。
ポールポジションは逃したものの、アベレージタイムでは栗原を上回っている。
レース当日はドライコンディションとなる予報。予選タイムを見るとランキングトップの栗原と5ポイント差で追う徳留のマッチレースとなる可能性が極めて高い。
9月25日 日曜日 天気:曇り 路面コンディション:ドライ
ウォームアップ走行 1位 1’37”681
早朝8時から15分間のウォームアップ走行。曇り空の為気温は上がらず路面温度も低め。
予選から若干セットを変更しコースイン。
タイヤの温まりとセットの方向性を確認しながら周ごとにペースを上げ、トップタイムで走行を終了した。
“晴れの国岡山”ではあるが曇り空が広がる。
徳留はフロントローの真ん中2番手グリッドから好スタートを決め、栗原に次ぐ2番手で1コーナーへ進入。2コーナーまでに伊達と安村に先行を許し4番手。
トップに立った伊達を先頭に徳留はコントロールラインを4番手で通過する。
2周目、バックストレートからのヘアピンのブレーキングで伊達と安村2台をパスし2番手。トップ栗原のペースは思いのほか上がらず、3周目のヘアピンで徳留がトップに浮上する。
5周目になるとペースの上がったトップ二人に対し3番手以降が離され始める。1分37秒半ばでコンスタントに周回する徳留に付いてきたのは栗原のみ。9周目の1コーナー進入で栗原がインに入るが、徳留はクロスラインでトップを守る。栗原はアットウッドカーブでも仕掛けるがクロスラインで徳留が前。13周目終了時点で後続に対し5秒の差となっている。
徳留の背後に着けていた栗原は、14周目、マシンの速さを生かしヘアピンでインから徳留に並び一旦前に出るが、余裕を持って徳留がインを刺し返す。
翌15周目のヘアピンでも栗原が徳留のインに並びトップに立つが、翌16周目の1コーナーのアプローチで徳留がトップを奪い返す。
17周目のヘアピンでかなり強引にインを刺す栗原。しかし大きくラインを外し徳留がトップをキープ。18周目も同じ突っ込みで栗原がインへ、しかし大きくはらみ徳留が前。この執拗なまでの強引な突っ込みを巧みにかわしながら徳留はトップを走行し続ける。
レースは遂にファイナルラップを迎える。1コーナーで栗原が強引にインへ。膨らんだ栗原を難なく徳留が奪い返す。アトウッドカーブでも栗原がインに切れ込むが大きく膨らみ徳留のトップは変わらない。そしてバックストレートでラインをインサイドに取った徳留に対し、栗原がマシンのスピードを生かし徳留をアウトサイドから追い抜き、更に徳留の走行ラインを塞ぐ形でインサイドへ向かいながらヘアピンへのブレーキングを開始。マシンコントロールを失った栗原は止まり切れずコースオフしそのまま転倒。徳留は煽りを喰らいながらもトップを守り切り今季2勝目のチェッカ-!結果、10秒後方の2位に山本、3位に安村となった。転倒した栗原は再スタート後5位でフィニッシュ。
ポイントランキングでは徳留が逆転し92ポイントでトップ。2位に88ポイントで栗原。3位は59ポイントで安村となっている。
次戦は11月5・6日。遂に最終戦となる鈴鹿MFJ-GPだ。
岡山で優勝出来てとても嬉しいです!今年のGP3クラスは、「ポールを獲らないと勝てない」と言うジンクスのようになっていましたが、2番手スタートから勝てたので良かったです。
4戦連続のホールショットは獲れませんでしたが、逆にじっくりタイヤを温めペースを上げて行けました。
栗原選手の様子を伺うとペースが速くない事が解ったので前に出ましたが、付いて来て最終ラップまで二人での一騎討ちとなりました。
昨年もそうでしたが栗原選手は強引で危険な走りが多く、今回も僕が何度も避けていたので接触事故になりませんでした。レースは危険なスポーツ。お互いのスキルと信頼関係が大切だと僕は考えています。
何はともあれ全日本で岡山初勝利となりとても嬉しいです。
今回はコースの走り方を考え直し、またトップランカーだった藤岡メカが僕にはない走りを提案してくれました。そのお陰でテストよりも1秒以上アベレージタイムを上げることが出来、最終的にレースでも勝つことが出来ました。心強いパートナーに恵まれ、チームも強くバックアップしてくれました。
最終戦鈴鹿ではチャンピオン獲得を目指して頑張ります!
いつも応援して頂いているスポンサーさま、ファンのみなさん、チームオーナーの松永氏を始めチームプラスワンの皆に感謝しています。