2008 第二戦筑波サーキット

開幕の筑波、第2戦のオートポリスと2戦連続のポールトゥー2位。
絶対的なスピードは見せながらも、戦略やマシンセットの詰めの甘さや天候で勝利に今一歩届かないレースが続いた序盤の2戦。

約3ヵ月の長いインターバルを終えて迎えるのは、GP125クラスにとって3戦目となる宮城県スポーツランドSUGO。 

アップダウンに富んでいて、ハイスピードなコーナーが続くレイアウトとなっているが、オートポリス同様に山の天気は変わりやすく、天候が安定しないのも特徴。
濃い霧で包まれ、レースや走行スケジュールに影響が出ることもしばしばである。


8月上旬に行なわれたタイヤメーカー合同テストでは相変わらずの好調ぶりを発揮。
決して良いとは言えない路面状況の中、早くも自己ベストタイムの1’35秒台でラップを重ね、異次元の速さでクラストップタイムをマークしていた。

しかしレースウィークの金曜日に行われたART合同走行で思わぬ転倒を喫することとなる。 
暑かったテスト時に比べると路面温度が大幅に低下しており、違うタイプのタイヤに合わせた車体のセッティングが出ていなかったのが原因。

しかも今週末は天候が安定せず、時折雨が降ったりやんだりの微妙な天気となっている。

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金曜日の転倒の原因を探るべく、ドライでの走行を期待してはいたものの、朝から雨が路面を濡らしておりレインタイヤでの予選となった。
今回の予選は40分一回のみで行われる。
予選開始前にはすでに雨は止んでおり、予選中に路面が乾いてくることも考えられた。
予選が開始されると中盤にかけて予定通りに走行ラインは乾き始める。
後は、どのタイミングでスリックへ交換し終盤のタイムアタックに備えるか。
ただ全てのコーナーが乾き始めていているのではなく、中には完全に濡れたままのコーナーもありスリックタイヤではハイリスクとなる。
そんな中、各ライダーレインタイヤでタイムをどんどん上げていく。
徳留はこの時点で6番手タイムをマークしている。

しかし、予選も終盤、無情にも再び降り出した雨が乾き始めていたラインを濡らしてしまい、タイムは逆に上げられない状況となってしまう。
現に終盤には濡れた路面に足元をすくわれ、たくさんの転倒者が出てしまう。

徳留自身は転倒は免れてはいるが、特に雨が降り始めてからはフロントタイヤの接地感不足に悩まされる事となった。

予選結果はまずまずの6番手。

決勝に備えてドライ・ウェット両方のセットもいまいち自信が持てず頭を悩ませる事となった。



 


 

朝から路面はドライ。しかし今日は更に気温が低く、朝一のウォームアップセッションでは感触をゆっくりペースを上げながらの走行となった。テストの時の感触までは程遠いが、マシンのフィーリングは向上してはおり、決勝に向けて不安とかすかな手応えを感じていた。





 

徳留が遂にSUGOで全日本初優勝を飾った!

公式レースでの優勝は1996年のイモラGP以来の実に13年振りとなる。


2列目イン側6番手からスタートで出遅れた徳留は、一時は10位以下までポジションを落としてしまう。
しかし周回を重ねる度にペースと順位を上げ、一時は追い付くのは無理か、と思われたトップ争いを猛追。
10周目にはレース中のファステストラップをマークし菊池と尾野のトップ争いに完全に追い付く。
そして11周目に菊池がスローダウン。前回のウィナー尾野との一騎打ちとなる。

レースは残り4周。ここでオートポリスと同様に小雨が降り始めペースを落とさざるを得ない中の周回となる。
何度か尾野に対して仕掛けては見るが、濡れ始めた路面ではあまりにもリスクが高い。
迎えた最終ラップ、最終のシケインからの登りストレートで渾身のスリップストリームでゴールライン手前で逆転に成功!

待ちに待った初優勝を遂げた。

これでランキング争いでも首位に浮上。2番手の尾野に対して9ポイント差。3番手に落ちた菊池に19ポイント差とした。


 

 


徳留真紀のコメント
 
お陰さまでようやく優勝出来ました!嬉しいです。

金曜には転倒も有り不安要素を抱えたままでのレーススタートで、出遅れた後のマシンのフィーリングもあまり良くなくて、今回は厳しいとさえ思っていました。

でも周回を重ねるごとにフィーリングが向上し良いペースで走れいい追い上げが出来ました。
コーナーによっては危ないところが何箇所かあったので、注意して走っていましたが意外とあっさりトップに追いつくことが出来ました。

菊池選手がトラブルで脱落した終盤には尾野選手を抜いてトップに立ち引き離そうと思っていましたが、予想外の雨が降り始めた為今回はリスクは避け、勝負所は最終ラップの最終シケイン立ち上がりからのホームストレートに決めていました。

これまで応援してくれたファンの皆さん、いつも頑張ってくれているチームスタッフ、各メーカーの皆さんメディアの方々、ライダーを含めた関係者の皆さん、自分の事のように喜んで頂きとても嬉しいです。

一昔前の世界GPでの勝利はもちろん嬉しかったですが、今回の優勝はそれ以上かもしれません。

残り3戦も一つ一つ大事に頑張ります。
皆さんの応援とご協力、誠にありがとうございました。