2007年の最終戦MFJGP。 15ポイント差のランキング2位で迎えた。

逆転チャンピオンへの条件は、徳留が優勝しランキングトップの岩田が12位以下。徳留が2位もしくは3位で岩田が15位以下。徳留が4位で岩田ノーポイント・・・と難しい状況ではあるが、最後まで何が起こるか分からないのがレース。
チャンスがある限り前に進むのみ。
日本を代表する世界屈指の鈴鹿サーキットが最終戦の舞台となる。 徳留にとってロードレースを始めた頃から馴染みのあるホームコース。

鈴鹿サーキットの特長はハイスピードなテクニカルコース。1周5.8キロと国内最長で、約1キロあるロングストレートが2本あり、エンジンパワーは勿論重要である。 ヘアピン、モーターサイクルシケイン、カシオトライアングル(最終シケイン)など超低速コーナーもあるが、ダンロップコーナー、マッチャンコーナー(250R)やスプーンカーブ、高速の130Rなどの鈴鹿ならではの高速セクションが大半を占めており、安定したハイスピードコーナーリングが必要だ。
攻略の最大のポイントは、1コーナーからダンロップコーナーまでの登りのS字東コース区間。いかに速度を落とさず、リズミカルに駆け上がって行けるかがタイムアップの鍵を握る。

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10月19日金曜日 天気:雨
☆ART合同走行☆
路面:ウエット 2’41”064 総合5位
 
2007鈴鹿サーキットART走行
 

から雨が降り続く中、金曜日のART合同走行は行われた。
本来ウエットでも速さを見せる徳留であるが、今シーズンは満足に攻略出来ないでいる。開幕戦もてぎのフリー走行と、前回岡山のウォームアップでは共にウェットコンディションで転倒しており、ウェットレースとなった前回の岡山では何とか5位まで挽回はしたものの、TZでのウェット路面に苦手意識を持っていた。
午前の走行ではトップから2秒落ちの7番手。土曜日からは青空が広がるという天気予報ではあったが、徳留は足回りのセッティング変更を行ないながら、積極的に雨の中周回を重ね、5番手とウエットコンディションでも調子を上げていく。

 
 
 
10月20日土曜日 天気:晴れ時々くもり    
☆公式予選☆ 
路面コンディション:ウエット→ハーフウェット 2’25”509 16位
 

 

0分間一回のみで行われたGP125の予選。
天気は回復し朝から晴れてはいるものの、朝9時前から行われるGP125の予選は、夜半まで降り続いた雨がまだコースを濡らしたままだ。昨日同様レインタイヤを装着しての予選開始となった。
日差しの割りには乾かない路面。各ライダーレインタイヤでの走行を続ける。予選時間も中盤を過ぎると路面は急速に乾き始めた為、レインタイヤからスリックタイヤへ交換しコースインするマシンも増え始める。 徳留は残り10分でピットへ戻り、スリックへ交換し再度コースイン。所々に濡れているセクションは残るが、変わり行く状況を見ながらタイムを詰めていく。しかしコンディションが一番良くなった予選の最終ラップ、2台の遅いライダーに行く手を阻まれクリアラップに恵まれず、タイムアップ出来ず仕舞い。
結局ポールタイムから約2秒落ち、何と驚きの16位・・・と想定外の下位に沈む事になってしまった。 今年から1列3台づつのスターティンググリッドとなっている為、明日の決勝は6列目スタートとなる。12周しか無い決勝レースへ向けて極めて厳しいグリッドだ。ランキングトップの岩田は更に後ろの23番手スタート。
徳留としてはロケットスタートを決め、序盤に出来る限り順位を挽回したいところだ。

 
10月21日 日曜日 天気:晴れ時々くもり          
☆ウォームアップ☆
路面コンディション:ドライ  2’21”589 2位
 

 

勝当日朝のウォームアップ。
気温は低いが、このレースウィーク中初めてのドライコンディションでの走行となった。
出来る限りハイペースで走行を行い、エンジン・サスペンションセッティングを詰めながら決勝へ向けてのデータ取りを行う。単独で積極的にラップしこの走行を2番手タイムで終了。 チェッカー後には決勝へ向けたスタート練習も行い、好感触を得る事が出来ており下位グリッドからの猛ダッシュに期待が持てた


激しい追い上げの展開となった決勝。3戦連続表彰台獲得!激しい追い上げの展開となった決勝。3戦連続表彰台獲得!

 

 

 

列目16番手グリッドからのスタートでどれだけ挽回できるか。
そしてたった12周しかないレースでどこまで追い上げられるのか。

しかしながら徳留は肝心のスタートを大失敗してしまう。後ろにはほんの数台いるのみ。落ちすぎた順位を挽回していくが、それでもコントロールライン通過時は17位。
ここからラップごとにポジションを上げ2周目に14位、3周目12位、4周目10位、5周目には一旦12位にポジションを落とすが、翌周には好スタートを切って前を走っていた宿敵岩田を含めた4台をパスし、一気に8位までジャンプアップ。まさに怒涛の追い上げ。

の時点で、前を行く7台でのトップ争いまで4秒ほどの距離が開いていた。
レースも終盤に来て普通なら難しいと思える差ではあるが我慢の追い上げを続ける。

そしてここからただ一人、ラップタイムを2’19秒台のハイペースで周回し始める。

 

 

場内を沸かす走りで差を詰め、11周目にはトップグループから遅れをとっていた 一人を攻略し6位へ浮上。
ついに迎えた最終ラップ。5台で争われているトップ争いまでには2秒近くの差があるが、更にペースを上げ追い詰める。コース中盤のヘアピンへのブレーキングで1台抜き去り、更にスプーンカーブでトップ4台との差を一気に詰め、バックストレートでスリップストリームに入ることに成功。4位のライダーをストレー トエンドでパスし徳留が得意とする130Rへ進入。

立ち上がりで3位を行くチームメイトの井手の背後に肉薄し、シケイン進入で一気に順位を上げようとインを伺う。しかし接近戦となっている前3台はブロックラインを保っているためインに入るスペースが無い。

 

 

 

最終コーナーを立ち上がりコントロールラインまでの順位変動の無いまま4位 でチェッカーを受けた。
トップとの差は0.325秒。3位表彰台へは0.089秒・・・と僅かなものだった。

最終ラップにマークしたレース中のファステストラップを見ても分かるように、徳留本来のスピードを取り戻したシーズンとなった。 一方、岩田は11位でチェッカーを受け、ランキング2位徳留と7ポイント差でチャンピオンを獲得。

 


     

徳留のコメント

鈴鹿は優勝しかない!と決めていたのでそれが出来ず残念です! 最悪のグリッドで肝心のスタートも失敗してしまい、追い上げもこれまでに無く大変な展開でした。 コーナーで差を詰めて立ち上がり加速でホンダのマシンに離されてしまう厳しい展開で、ポジションアップには苦労しましたが、決勝に向けメカニックとマシンをバッチリ仕上げることが出来ていたので、最後まであきらめずに走れました。 終盤の追い上げ中は自分でも追いつくためにとにかく無我夢中で、最終ラップは渋滞の列に猛スピードで突っ込んで行くような感覚でした。
今回勝てなかったことと表彰台に一歩届かなかったこと、そしてタイトルを獲れなかったことについてはガックシですが、たくさんの人に「すごい追い上げでハラハラした」とか「あの走りは感動した。いいレースを見せてもらって良かった。」などと言って頂いて、あきらめずに頑張って良かったと思います。

今年はチームを移籍してマシンをヤマハにスイッチし、開幕前から手応えを感じることが出来ました。開幕戦の予選でのトラブルによる転倒骨折は正直辛い出来事でしたが、痛みを我慢しての走りの末、9位で完走出来た事がここまでチャンスを与えてくれたと思います。退院後の筑波、オートポリスとSUGOでは優勝へ あと一歩、3戦連続で表彰台を獲得出来ました。 今年一年お世話になったスポンサー様、メーカー様、チームスタッフ、僕の周りで支えてくれていた人々、そしてたくさんのファンの皆さん、心強い応援どうもありがとうございました。